きみの理想の相手


 確かに。
 
 廉の姉の言う通りかもしれないが、男としてはいいのか悪いのかは分からない。

 俺は自分の顔を見ると、やけに明るい顔をしていた。

「……」

 廉は鏡をしまってから、俺に言う。

「図星でしょ。だから、僕は言ってんだよ。なんかあったのかって」

 俺は廉には嘘はつけない。

 すぐ俺の顔を見たら、分かってしまうから。

「なんで廉にはすぐ分かちゃうかな」

「当たり前だよ。何年一緒にいると思ってんの」

 廉は俺の肩をバンと手で叩いて、ニコッと笑顔を見せていた。

「…分かったよ。全部話すよ。お昼時間あるか?」

 右肩に手を当てながら、俺は廉に言った。

「大丈夫だよ」