きみの理想の相手


「…廉か。おはよう」

「…おはよ。海からしつこいほどのラインがくるんだけど。輝、なんかあったの?」

 廉は俺の顔に携帯を近づけながら、廉も俺の顔に近づいて言う。

「…廉。顔近い。いつも人との距離感考えろって言ってるよな」

 廉は、俺の唯一の理解者であって、腐れ縁。

 ショートヘアの黒髪で可愛い顔をしている割に、男気があって仲間想いだ。


「あ、ゴメンゴメン。なんで、海に話しちゃったの。噂広まるのわかってるよね」

 俺はサンドイッチコーナーでひとつ手に持ってから、そばにあったお茶を手に取りレジに向かった。

 廉は、俺の後ろからついてくる。

「詳しい話はしてない」

「そう?じゃあ、憶測で物言ってるってこと?これ」

 俺がカバンから財布を出した時、俺の隣にきて、目の前で携帯を見せてきた。

「……っ、はあ、マジか」