きみの理想の相手


 こういう時の海はめんどくさいんだ。
 
 気になったことはしつこく聞いてくる。

 そして、聞いた途端、すぐ誰かに言うのは彼の性格上だから仕方ないが、俺はなるべく話さないようにしてる。

「いいじゃん。話すくらい」

 キラキラな目を輝かせて、俺を見てくる。
 
 俺は海の顔を見てから、ため息をつき言った。

「嫌だからな。話さない。ってか、授業集中しろよ」

 俺は前を向いて、先生の話をまじめに聞いているフリをした。

 話なんて聞けなかった。

 頭にあったのは理実さんのことだ。

 考えすぎて、頭がいたい。

 俺は1時間半の講義の授業を終えてから、一人で売店に行き、お昼食べるものを買った。

 すると、俺の肩をポンと誰かが叩いた。
 
 後ろを振り返ると、友人である廉(れん)がいた。