きみの理想の相手


 それから、1年ちょっとのこと。

「あの……これ」

 理実さんは顔を赤くしながら、俺に紙を渡してきた。

 それを俺は受け取ると、駆け足で去っていた。

 ただただ、俺は驚いていた。

 女性から連絡先を渡されたことがなかったので、ビックリしている。

 だけど、嫌ではなかった。むしろ、自分も人から好意寄せられることがあるんだと思えたんだ。

 俺はベッドに座り込んで、考え込んでいた。
 
 ベッドの近くにあった時計を見ると、もう大学に行かなければならない時間であった。

 もう、9時を回っていた。
 
 お袋は仕事に出たのか、家にはいなかった。

 大学の授業は、10時半であった。

 急いで、顔を洗い歯を磨いて服を着て、準備が出来たら、自電車を漕ぎ大学に向かった。

 大学からは急げば5分で着くので、俺は授業が行われる教室へと走った。

「はあはあ、着いた」