乙女の恋はいつも甘〜いアイツに振り回される

ドレスワンピースを創が用意したということは、今回デートに行く場所は桁違いの場所ということだろう。

華恋は創の母から、お茶や生け花、食事マナーなどを何度も教わっている。まるで花嫁修行みたいだなと華恋は思っているのだが…。

「恥をかかないようにしないとね」

華恋がそう呟いたその時、華恋のスマホに電話がかかってきた。創からだ。

「もしもし?」

華恋が出ると、創は「華恋!ごめん!」といきなり謝り出す。

「えっ?どうしたの?」

「実は、急用が入っちゃったんだ。今日のデートに行けない…」

創は今にも泣き出してしまいそうな声だ。華恋は「大丈夫だよ」と優しく言った。

「また今度どこかに行こうよ」

「ごめん!本当にごめんね」

デートがなくなるなんて、初めてのことだった。しかし華恋は、そんなこともあるか、とあまり気にしていなかった。

そして翌日の夕方、きれいな花束を持って創は家にやって来た。

「昨日はほんとにごめんね?」

「そんな…私、全然気にしてないよ?」