すると
「先生!わざわざありがとうございます。」
と向こうから藤田がやってきた。

笑顔でハキハキと話す藤田。

「祖母が行方不明になったその節は、大変お世話になりました。」
「いや。大丈夫なのか?お前。」
「はい。」
藤田はあまりにもあっさりとした返事をして俺のそばから離れていく。



「あいつ、絶対におかしいですよね」
そう俺に話しかけるのは宮田とその隣には高倉がいる。
「なんというか…痛々しい…。大丈夫かな…陽咲。」
高倉は今にも泣きそうな顔をしている。