きらきら光る

「私、ペニシリン系のにおいもだめなんです。」
「発作きたのか?」
「ぎりぎりセーフでした。」
科学の授業で使う薬品が原因で発作を起こしてここにいたのだとしたら安静にする必要がある。

「保健室に来いよ。」
「それは…できないかな。」
「なんで。」
「…あの雰囲気はお別れの部屋だから。どろどろした気持ちが私を埋めようとするんです。わかります?」
いろんな悲しい別れをして来た彼女の抱えるものははかりしれない。なのになぜこんなに前を向いて進めるのかも。

過去から抜け出せず戻ることだけを考える俺には彼女の考え方は眩しすぎる。