きらきら光る

この関係になにも隔たりがなかったら俺は簡単に藤田を抱き締められるのにと思った。

抱き締めて消えないように繋ぎ止めるのに。

でも俺たちの間には隔たりが多すぎて簡単にはいかない。

俺はもう自分が藤田を生徒ではなく…それ以上に意識していることがわかっている。

でもこの気持ちに名前をつけたら自分が押さえきれなくなるような気がしていた。



ただただ藤田と暗くなるまで植木の手入れをしてから
「明日は学校に来いよ。」
とつまらない言葉しか残せないまま俺は自分の家に帰った。