「優子はやっぱり桃色だね。」
「は?頭でも打ったの?」
「ふふ。かわいくて好き。桃色。」
「ばか。しっかりしてよ。」
優子は照れ臭そうに微笑んで私の手を引いた。


蒼介を想う優子の存在に私はずっとまえから気づいていた。

はっきりとした性格の優子と本当は仲良くなりたいと思っていたのかもしれない。

まっすぐに蒼介を想う優子が羨ましかったのかもしれない。

優子は私が持っていないものを持っていることを知っていた。