6年前の自分と藤田が重なる。
事故に遭った茜を守る力がほしいと思った日を思い出す。
あぁ、だから医者になりたいと思ったんだった。
「大人になってもそんなに変わんないぞ。」
「…?」
「大切なもの守る力はかわんないぞ。」
「そっか。」
「でもな、ずるくなるんだ。」
「え?」
「妥協してもへっちゃらって顔してごまかして。嘘つくのが上手になって使える手段は厭わない。」
「……。」
藤田はまっすぐな心と目を俺に向けてくる。思わずそらしたくなるような純真な目。
でも今はそらしたらいけないと思った。
今俺が目をそらしたら藤田が崩れてしまいそうで怖かった。
事故に遭った茜を守る力がほしいと思った日を思い出す。
あぁ、だから医者になりたいと思ったんだった。
「大人になってもそんなに変わんないぞ。」
「…?」
「大切なもの守る力はかわんないぞ。」
「そっか。」
「でもな、ずるくなるんだ。」
「え?」
「妥協してもへっちゃらって顔してごまかして。嘘つくのが上手になって使える手段は厭わない。」
「……。」
藤田はまっすぐな心と目を俺に向けてくる。思わずそらしたくなるような純真な目。
でも今はそらしたらいけないと思った。
今俺が目をそらしたら藤田が崩れてしまいそうで怖かった。



