「蓮!」
その声に振り向く。

「陽咲っ!」
両手を広げるときらきらと眩しく笑う彼女が俺の胸に飛び込んでくる。

「おかえり」
「ただいま」
お互いの仕事が終わる時間が合うと俺たちは待ち合わせをして一緒に帰る。

「夜ご飯、なにがいい?」
「陽咲」
「すけべ。変態。」
「お前なぁ、本気で嫌がるのやめろよ。冗談だろ。」
「冗談なの?」
手を繋ぎながら他愛もない会話をして帰る時間すら愛しい。