きらきら光る

『もしもし?陽咲?』
その声を聞いただけで安心して泣きそうになる。そんな場合じゃない。

私は通話口をたたく。伝わって!
かすれた呼吸音ばかりがもれる声にならない声をしぼりだす。

『なんかあったのか?いまどこだ?家か?』
同じ反応しかできない。もどかしくて涙が溢れる。

『いまからいく。まってろ。5分で着く。電話繋いだままにしろ。』


先生はがたがたと物音をたてながら急いで向かってくれている。車を走らせる音やナビの音でどんどんそばに来てくれているのが分かった。