図書館で早番の仕事をしながらふと窓から射し込む朝陽を見る。

目を閉じると今日も先生の眩しい笑顔。


これでいい。

これで十分。

これ以上はだめ。




私は制服のエプロンのポケットに手を入れる。

力の入りにくい手で精一杯握りしめたのは1本の絵の具。

いつも持ち歩いている1本の絵の具。