「この絵の具が陽咲の手の神経を守ってたんだ。この絵の具を握らなければ太い血管も神経も切れていたかもしれない。陽咲。何が言いたいか分かるか?」
「…ふっ…」
陽咲は少し声をもらして泣き出す。右手に比べたらまだ傷が浅く少ない左手で絵の具を抱き締めながら。
「想われてるな。今でも。」
紅色の忘れられない人の想いが藤田を守ったような気がしていた。それを伝えた今、藤田はどうおもっている…?
俺は黙って藤田を抱き締めた。
「…ふっ…」
陽咲は少し声をもらして泣き出す。右手に比べたらまだ傷が浅く少ない左手で絵の具を抱き締めながら。
「想われてるな。今でも。」
紅色の忘れられない人の想いが藤田を守ったような気がしていた。それを伝えた今、藤田はどうおもっている…?
俺は黙って藤田を抱き締めた。



