きらきら光る

屋上の扉を開けるとそこには久しぶりに藤田がいた。

今にも消えそうなくらい更に痩せた藤田は俺の方をみてまた笑う。

「会っちゃった」とひとこと呟いた藤田を俺は抱き締めずにはいられなかった。

「先生、もうたばこのにおいがしないね。」
「あぁ。」

力を込めたら折れてしまいそうなほど華奢な藤田は俺の背中には手は回さなかった。

その理由が俺には分かる。

たとえ彼女を抱き締めるのが俺じゃなくても彼女は同じように手を回さないだろう。

死神のヤロー。一発ぶん殴りてぇ。
そんな行き場のない怒りを感じながら俺は藤田を離せなかった。