「なんで綾ちゃんがいんの?」
「智也の勉強みてやれだってさ。
中入るよ、暑い」
少し外に出ただけで暑かったから、智也の許可を得る前に中へと入る。
「お邪魔します」
一応挨拶をするけど返答はない。
どうやら両親はいないらしい。
「ほら、早く行くよ?」
私がそう言うと、智也はため息をついた。
「綾ちゃんって本当なんなの?
一週間前と態度全然違うけど」
智也に言われ、ギクリとする。
一応雅さんと関係を断ったことで、少し罪悪感が減った部分もある。
まあないと言えば嘘になるけれど。
これも全部、雅さんが私に気を遣っての言葉をかけてくれたからだ。
結局今も雅さんの優しさに甘えているのは確かだった。