こっちはもう成人して立派な大人だっていうのに。


「ぶーぶー言わないの。私なら喜んで智也くんの勉強教えるわ。会わないうちにもっと成長して大人っぽくなってさ、あんた恋愛感情なんか抱かないの?」


気を抜いて水を飲んでいる途中にそんなことを言われ、思わずむせそうになる。


「……え?待って何その反応?
もしかしてそうなの?あら、禁断の恋!?」

「そんなわけないでしょ。
いきなりでびっくりしただけ」

「あらー、これはお父さんにも連絡ねぇ」
「だから違うってば!わかったよ、行ってくる」


ややこしくなりそうだったから、お母さんから逃げるようにして智也の家へと向かう。


インターフォンを鳴らすと、やっぱり智也が出てきた。
もちろん驚いていたけれど。