お願い、好きって言わないで。







夕方になり、私は雅さんと並んで駅へと向かう。


「今日はもう泊まっていくよな?」


少なからず、いつもより強引な雅さんがいた。
きっと私が中途半端だから、雅さんを心配させている。

そんな自分が本当に嫌だ。


「……うん」


だからこそ、雅さんを受け入れたいと思う。


「今ならまだ間に合うけど、家に着いたら俺、我慢できないよ?」

「もう、私も決めたから。
雅さんに捧げるって」


私がそう言うと、雅さんは少し目を見開いと驚いていた。
けれど、すぐ笑顔に戻る。


「絶対大切にするから」


その言葉に嘘偽りはないと信じたい。

誰もがあいつのように最低な人間ではないのだから、雅さんはあいつとは違うと願っている。