お願い、好きって言わないで。




「本当にずるい。私をこんな気持ちにまでさせておいて……ずるすぎるよバカ。

もう智也となんか幼なじみ、やめてやる。
こんな風に会うのもやめるから」


本心かと聞かれると、きっと頷けない。
けれど言ってしまえばもう、後戻りはできないから。

「それにお互い相手もいるんだしさ。

智也も好きじゃない女を弄ぶのはやめなよ?
本気にしちゃう人だっているんだから」


少なくとも私は騙された。
少しでも揺らいでしまい、年下の高校生に騙された自分が恥ずかしい。


そこまで言って、ようやく智也は口を開いた。


「ずるいのはどっちだよ。
そんな言い方して。言っとくけど俺、彼女なんていねぇから」


それも、予想外の言葉。