「はぁ…」


部屋に入り席に着くなりため息をつく。
今日一日、ため息ばかりだ。


あー、ダメだダメ。
明日からは切り替えていかなければ。


「……よしっ」


一度前を向き、気合いを入れてからパソコンを開ける。


その後しばらくパソコンを打ち続けていたら、突然ノック音が聞こえてきた。


「はい」


ドアの方に目を向けて返事をすると、ガチャリとドアが開く。



「綾ちゃん、今日はどうだった?」


見ると、そこには智也が立っていた。


「智也」


最後に会った時のように、智也の態度が変わっていなくて安心する。


それにしても声、低くなったな。
たった四年でこんな成長するだなんて、さすがは青春時代。


私にはもう通り過ぎた過去だけれど、なんて思いながら私も前のように智也と接することにした。


「まあまあかな。みんな真面目そうだね」
「進学校だからな」


そう言って笑う智也の笑顔は変わっていない。