「ただいま」
その後、家まで送ってもらい中へと入る。
すると家の中には誰もいなくて、リビングの机の上にメモが置かれていた。
読むと、今日はどちらも帰って来ないらしい。
ちょうどよかった。
無理をしようとして、わざと明るくいる必要がなくなる。
とりあえずお風呂に入ろうと思い、浴室へと向かった。
お風呂に入った後は喉が渇いたため、冷蔵庫から水の入ったペットボトルを手に取る。
そしてソファに腰を下ろそうとしたその時、インターフォンが鳴った。
誰だろうと思い、モニターを確認すると。
そこには智也の姿があった。
モニター越しに映る智也の表情から、感情は読み取れない。
突然の訪問者に戸惑いつつ、家のドアを開けた。
「いきなりどうしたの?」
「ごめん。綾ちゃんと話がしたかったから」
そう言った智也の髪は、この前のように少し濡れていて、お風呂上がりなのだろうと思った。



