「結局中谷に遊ばれてただけなんだよ。
なあ綾さん、そろそろ俺を選びなよ」

「……え?」


突然の言葉に、私は目を見開く。


いつかは告白されるのだろうかなと、なんとなく予想はしていたけれど……願わくば告白なんてされたくなかった。

だって今の私の気持ちは、とても中途半端だったから。


「絶対に悲しい思いはさせない」


真剣な瞳で私を見据える。
揺るぎない瞳。


それを見て、この人なら本当に忘れさせてくれるかもしれない。

心から好きになれるかもしれない、と思った。


思った以上に私の心は智也傾いていたようで、今日の出来事は意外とショックが大きかったらしい。


そして私は、頷いてしまった。

とにかく自分勝手で、最低な判断。
雅さんを傷つける選択をしてしまったと、自分でもわかっていたけれど。


それ以上に、頭に浮かぶ彼のことを忘れたかったから───