私服姿は一段と大人っぽく、高校生らしさなんて一切感じられなかった。

そのため、不覚にもドキッとしてしまった自分が恥ずかしい。


これでも六歳差なのだ。
この差は中々大きい。

年下の男…ましてや高校生相手にドキドキするだなんて、絶対にあってはならない。


「さ、綾ちゃんも飲みなよ」


智也のお父さんにお酒を勧められる。


「すいません、明日も朝が早いんでやめときます」


明日も仕事があるため、そこは丁寧に断った。



そして私たちの家族と智也の家族でご飯を食べ、話していたけれど智也とは目すら合わせなかった。

何を話せばいいのかわからず、私が避けていたのだ。


時間が経ったけれど、まだ終わる気がしなかったので、明日の準備をするため部屋に戻ることにした。


「帰る時、また降りて来るから声かけてね」


私の親にそう伝え、部屋へと上がる。