「そんな涙目で睨まれたって怖くないけどな。
むしろ可愛い」
できれば一刻も早くここを出たいのに、体に力が入らないから動けない。
「場所考えて!」
「ここでも感じてたくせに、よくそんな事言えるよな」
「……っ」
「今動けない時点で綾ちゃんの負けだよ」
低く甘い声が、私をバカにする。
さっきから心臓の音がうるさいし顔も熱い。
だから早く部屋に戻りたかった。
絶対智也にバレている。
「でもまぁ、この後谷原先生に呼び出しくらってるから、これ以上は何もできないんだけどな」
「え……」
智也の言葉に驚く私。
だって今、谷原先生って言ったよね。



