けれど次の瞬間。
目の前が暗くなり、唇が重ねられる感触が。
そして智也に、キスされてるのだと気づく。
どうして今、このタイミングで……!
流石に時と場合を考えて欲しくて、唇を離した智也に私は怒った。
「智也、状況考えて。そんなことしてる場合じゃないでしょ?バレたらどうするの」
「ああ。だから声出すなよ?」
いつもの強引な口調。
智也は平然と、私に額を合わせてきた。
息がかかるくらいの至近距離に智也がいる。
それだけで変に意識をしてしまい、ドキドキする私がいて悔しい。
「嫌なら本気で抵抗していいよ。
まあこの状況でできるわけねぇだろうけど」
そう言って笑ってくるけれど、仕方なくここに来ただけなのに。
どうしてこうなったのだ。
「もうダメだってば」
またこの前みたいに完全に智也のペースに飲まれたら終わりだ。
頭ではわかっていても、抵抗なんて到底できる状況じゃなくて。
勝ち誇ったように智也が笑い、そっと私に口づけをした。



