「焦ってる綾ちゃん見るの好きなんだよね」
小さく笑った智也は、少し私と距離を詰めた。
「ちょ、ここ人通るから!」
「じゃあここじゃなかったらいいんだ?」
「ちがっ……!早く部屋に戻りなさい!もうすぐ先生たちも通るから怪しまれるでしょ」
「んー、どうしよっかな」
そう言って私の頬に触れてくる。
その時に思い出した。
バス内での智也の言葉を。
それだけでぶわっと顔が熱くなってしまう。
「だからその顔、反則だって言ってんじゃん。まだ何もしてないだろ」
「う、うるさい……!」
こっちだってわざと照れててるわけじゃない。



