「城田(しろた)先生、俺酔いやすいんで一番前の座っていいですか?」


そして今、バスに乗り込んだんだけれど。


「あら、いいわよ。じゃあ私はその後ろに座るわね」


担任の先生である城田先生に、一番前の席を希望した智也。
いや待って、確実危険じゃん。

せめて城田先生が隣に座ってくれないと。


けれど私の願いもむなしく、本当に私たちが一番前でその後ろに城田先生が座るという状況になってしまった。


そんな私たちの席順を見て、男子生徒が騒ぎ出す。


「智也ずるすぎるだろ!」
「独り占めしやがって!」


ブーイングの嵐。
このまま席移動してくれないかな、と淡い期待を抱いていたけれど。