「気持ち悪いですよね、年上の女子が年下を好きだなんて」
彼女は無理矢理、笑顔を作っていた。
私は首を横に振り、彼女の言葉を否定する。
「何言ってるの、そんなことないと思うわ。
ここだけの話、私の恋人は六歳年下だから」
私がそう言うと、彼女は目を丸くして驚いた。
「えっ…そ、それって本当ですか!?」
「ふふっ、本当よ。
だから年の差なんて考えたら負けだからね」
「じゃ、じゃあ私にもチャンスありますか?」
「それはあなた次第だとは思うけど、その気持ちが本気ならまだ諦めるのは早いと思うかな…って、これじゃあ何のアドバイスにもなってないか」
私が笑うと、彼女もつられて笑う。
「そんなことないです…少し、前向きになれました!」
苦しそうな表情から一転、彼女は明るい表情へと変わる。
それなら良かったと言いかけた時、また彼女が話し出した。
「だから今度は先生の恋人の話、聞かせてください!
今日は部活ないんで…!」
彼女は興味津々の様子で、目が輝いている。
切り替え早いな、なんて思いつつ。
本当に元気を取り戻したようで、同時に安心した。