「黒崎先生…私、もうダメです」


放課後の教室で、一人の女子生徒が私にそんなことを言ってきた。


見る限り、かなり追い詰められている様子。


「どうしたの?何かあったの?」


なるべく優しく聞くと、彼女は頷いた。


「実は私、好きな人がいるです。
でも失恋確定しました」


失恋が理由で落ち込んでるようだ。
彼女は今にも泣き出しそう。


「確定ってなんでわかったの?」


「好きな人が同じ部活で……その時に私以外のマネージャーと仲良くしてるの見て、その人との方がお似合いなんです」


確かこの子はバスケ部のマネージャーだ。


「じゃあまだ失恋って、確定したわけじゃないでしょう?」

「でもその人は年上の私なんか興味ないんです、きっと…」


その言葉で、好きな人は後輩なのだとすぐにわかった。