「黒崎先生〜!おはようございます!」


私が副担任として受け持った二組の女子生徒が、私に挨拶をしてきた。


「あら、おはよう」

「先生制服も似合ってたんですけど、スーツも似合ってますね!」

「そんなに褒めたっていいことないよ?」
「事実ですから!」


女子生徒はニコッと笑い、走っていく。
明るく元気で、本当に眩しい。


羨ましそうにその背中を見つめていたら、また誰かが私の名前を呼ぶ。


「黒崎先生」


聞きなれた、低い声。

ゆっくり振り向くと、制服を着た智也が私の元へとやってきた。