そういえば遊びに行ったこと、ないからな。


私が高校生の時は、親も入れて旅行や遊んだことはあるけれど。


「これでやっと幼なじみに戻れるな」


その言葉に少なからず胸が痛んだのはどうしてだろう。


「そうだね」


そういえば私たち、恋人らしいことはしていても、正式に恋人ってわけじゃないんだ。


今更そのことに気づく私。
そうなれば、智也が卒業したらどうなるのだろう。


「綾ちゃん?」
「……どうしたの?」


この嫌な感情を隠すようにして、私は智也に笑いかけた。