「智也くん、合格おめでとうねぇ」
「ありがとう。あの子もようやく解放されて嬉しいだろうね」
早速両親たちで盛り上がっている。
けれど私は直接智也に会って、おめでとうと言ってやりたかった。
私の後輩になるんだと思っていたら、智也のお母さんに話しかけられる。
「そうそう、綾ちゃん。智也は家から通うらしいわよ」
「……え?そうなんですか?」
それには驚いた。
だって数十分で着く距離じゃない。
一時間以上は余裕でかかる位置にある。
驚く反面、それに喜ぶ自分がいたのも事実で。
寮生活になると思ってたからだ。
会えなくなるわけじゃないのだと。
「これからも智也のことよろしくね」
そう言って笑った智也のお母さん。
その言葉に、何が込められているのかはわからないけれど。
私は返事して、頷いた。



