お願い、好きって言わないで。




「若槻さん、顔上げて?
もう泣かなくていいから」


すると綾ちゃんは先生らしく、そして優しく微笑んで若槻に話しかけてた。


「だって私のせいで…」

「若槻さんのせいじゃないわ。
そもそも生徒と関係を持った私が悪いのよ」


優しすぎだと思った。

いくら若槻を慰めるためだとは言っても、そんなことを言える綾ちゃんはどれほど心が広いのか。


あんなことがあって、相当怖い思いをしたのに。
普通こんなこと言えるだろうか。


そもそも綾ちゃんが手を出したのではない。
俺が綾ちゃんに、先生である彼女に手を出したのだ。