お願い、好きって言わないで。







あの後、警察がきて涼太という男は捕まった。
すでに若槻の兄が通報していたらしい。

それはもう立派な犯罪だった。


綾ちゃんは病院へと運ばれ、怪我を負った部分を縫われ、包帯で巻かれていた。


暴力だけでなく、無理矢理脱がそうとし、あいつは彼女を抱こうとしていたらしい。


未遂だったのは良かったけど、それでも綾ちゃんには大きな心の傷が残ったと思う。

全てが終わった頃にはすっかり遅くなっていた。


「智也、帰らなくていいの?
もうすぐでしょ、センター試験」


頭を強く打ってるため、念のため一日だけ入院することになった綾ちゃん。


「別に、今日くらいしなくてもコツコツやってるから大丈夫」

「賢いやつが言う言葉だ」


そう言って、綾ちゃんは笑う。
その笑顔がたまらなく愛しい。


涼太という男がもう捕まって安心したからか、綾ちゃんはもういつも通りだった。

だけど俺は今日くらい、そばにいてあげたいと思ったから。