もう、怖い思いはさせたくない。 もう二度と、綾ちゃんに辛い思いはさせたくない。 それなのに俺はまだ高校生で、幼すぎる。 そう思うと、この年の差が腹立たしい。 なんで俺はこんなにも子供なんだって。 なあ、俺に何ができる? 今の俺が、綾ちゃんにしてあげられることってなんだ? 今はただ、優しく抱きしめてやることしかできなくて─── その時、遠くでサイレンの音が聞こえてきた。 この音は、恐怖の終わりを告げるかのように、だんだんと俺たちの元へと近づいてきた。