お願い、好きって言わないで。




さらにはリビングから、声にならない声が聞こえてきた。


でも確かに、その声は綾ちゃんのもので。


恐怖に怯えてる声。
急いでリビングへと駆けつける。


するとそこには、思わず目を背けたくなるような状況があった。


実際に俺の後にきた若槻は、目を背けていた。


だけどそんなことどうでもいい。
俺は彼女の名前を呼ぶより先に体が動いていた。


涼太という男を殴り、綾ちゃんから引き剥がす。


それから胸ぐらを掴み体を起こさせ、感情のままに殴ろうとした───


その瞬間、かすかに保てていた理性が自分を冷静にさせる。