お願い、好きって言わないで。




早く着いてほしい。
そう思えば思うほど、焦りが募る。


平日もあってか道は比較的空いていたが、それでもほんの数秒がとても長く感じられた。


どうして…なんで綾ちゃんがこんな目に合わないといけない?


もう十分辛い思いしただろ。
これ以上綾ちゃんが何をしたって言うんだ。


車内には気まずい沈黙が流れる。


そしてようやく綾ちゃんの家が見えてきた。


俺は真っ先に車を降りる。
すると家のドアが少しだけ開いていた。


やっぱり涼太という男は家の中に入ったんだ。

そう思い、ドアを開けると───


「……っ」


玄関を進んですぐの廊下に、いくつかの血が染み付いていた。