* 門を出るとすでに若槻の兄が待っていた。 俺たちは急いで乗り込む。 「すまない、黒崎と君を巻き込んでしまって」 若槻の兄は初詣の時からそうだったけど、悪いやつではないとなんとなくわかっていた。 本当になんとも思っていないなら、こんなことをしないはずだ。 車を発進させながら、彼は静かに話し出す。 「今度こそ、止めたいんだ。 もう同じ目に合わせたくない」 その目には後悔の色が浮かんでいた。 おそらく大学の頃を思い出したのだろう。