心臓が嫌な音を立てる。
なんなんだ?
少し話した後、若槻はスマホを耳から少し離し俺に話しかけた。
「智也くん…!黒崎先生の家、知ってる……!?」
「は……?
知ってるけど…」
明らかに焦っている若槻。
「お兄ちゃん、知ってるって。
今すぐ向かう、から……!」
そう言ってスマホを下ろした。
「智也、くん…」
カタカタと小刻みに震える若槻。
「どうしよう、私のせいだ…」
「落ち着け、若槻。何があった?」
どんどん若槻の目から涙が溢れ出す。
「今、お兄ちゃんが学校に向かっていて…それで、それで───」
その後に言われた若槻の言葉を聞いて、俺は一瞬頭の中が真っ白になった。
「な、んでだよ……!」
俺は急いで走り出した。
荷物とかそんなもの、どうでもいい。
若槻は確かにこう言った。
『涼太さんが今、黒崎先生の家の前にいるって電話があって…』
と───



