若槻は画面を見て、驚いた表情をしながら俺の方を見た。
「……何?出た方がいいんじゃねぇの?」
そう言うと、彼女は少しためらいがちに電話に出る。
「……もしもし、はい、……え?」
少し話をしたかと思うと、明らかに若槻は動揺した表情へと変わる。
「ちょっと何しようとしてるんですか!?
私もう恨んだりしてません!
だからやめてくださ…ちょっ……!」
そこで無理矢理電話を切られたようで、もう一度画面を見る若槻。
何故だろう、嫌な予感しかしない。
若槻はどうしよう、とでも言うように俺に助けを求めるような顔で見てきた。
「……若槻?どうした?」
俺がそう言うと、もう一度若槻の電話が鳴り出す。
その画面を見たかと思えば、今度は勢いよく電話に出る若槻。
「お兄ちゃん……!」
もうその時には、若槻の目から涙がこぼれ落ちていた。



