お願い、好きって言わないで。




なんて思いながら、渋々智也の家へと行ってインターフォンを鳴らした。


きっと智也の親が出るだろうと決めつけていたのだが、家から出てきたのはまさかの彼だった。

普通は友達と遊んだりして出かけないのだろうか。


しかも休日にも会うだなんて都合が悪い。
思わずため息をつきそうになる。


「綾ちゃん、どうしたの?」
「綾ちゃんじゃなくて黒崎先生って呼びなさい」


万が一のことを考え、玄関の中に入った。


「それは学校内だけでだろ?今は幼なじみ関係」

「そんなわけないでしょ。あんた昨日、よくも私をからかって……!」

「からかってない、本気」


真剣な表情になる智也を見て、なぜか危険を感じた私。
そのため、急いで話をそらすことにした。


「親は?」
「休日も仕事だからいない」

「遊んだりしないの?」
「一応受験生だからな」


へぇ、さすがは学年一位。