「この後どうする?
新年初のホテルでも…」
「それはダメ…一番行ったらダメな場所だから」
「真面目すぎ。たまにはハメ外しても」
「……帰る」
嘘。
本当は帰らないけれど。
今はまだ、智也のそばにいたいから───
「まだ親たち、綾ちゃんの家にいるかな」
「……知らない。いるんじゃない?」
「毎年そうだよな。どっちかの家に夜までいる」
「だから?」
「ふたりになりてぇ」
低く甘い声。
新年早々、彼は私を甘く誘う。
もちろん断ろうだなんて思わなくて───
「俺のことだけ考えとけばいいから」
彼に、また溺れていく。
ダメだとわかっていても、止まらない。