*
「この時間は親子連れが多いな」
神社につき、智也の第一声がこれだった。
多分夜よりは人は少ないと思うけれど、家族で来てる人たちが多い。
「確かにね。まあこんなもんでしょ」
とりあえずお詣りするために並ぶ。
案外スムーズに進み、早く終わることができた。
「意外と出店多いんだ」
「そうだな」
結構広いそこの神社は、色々な屋台が出ていた。
智也と手をつなぎたいな、なんて思いつつ。
なんとなく二人で歩いていると、突然誰かが私のことを呼んだ。
「……黒崎?」
智也も私も驚きながら同時に振り向くと───



