そして目の前には、智也が笑って立っていた。
新年早々、智也のこの笑顔を見ることになるなんて。


さすがの私もこれには予想外だった。
ああ、朝から心臓に悪い。


「綾ちゃん?何ぼーっとしてんだよ。
ちょうど今、起こしにいけって言われたところなんだ」


私に顔を近づける智也。
反射的に顔を背ける。

これだけで照れてしまう私も私だ。


「そ、そうなんだ!あけましておめてと!
受験頑張るんだよ!」


そう言って不自然に俯きながら、そそくさとお父さんたちが座ってる場所へと向かう。



「綾.もう酒飲んだのか?
すっげぇ顔赤いぞ?」

「う、うるさい!
お父さんは黙ってて!」


余計なこと言わないでほしい。