お願い、好きって言わないで。




「…っ、ダメだから、勉強」

「弱いとこだらけ。
免疫、つけたほうがいいんじゃねぇの?」


甘い言葉が私を誘う。


「今日はダメ、また今度」
「なら今日はキスだけで」

珍しく、簡単に折れてくれた彼。


「キスぐらいなら…」
「じゃあこっち向いて」


智也は抱きしめる力を緩め、私を解放する。

ゆっくりと振り向けば、目の前には余裕の笑みを浮かべる彼がいた。



「今日は綾ちゃんからで」
「え…なんでよ」

「気分」
「今日は、できない…」


思い出すのは昨日のこと。
甘くも痺れる、深いキスを思い出してしまう。


「……綾」

ひどく優しい声で私の名前を呼ぶから。
心がぐらっと揺らいでしまう。


弱い、本当に。
いきなり優しくされると余計に狂う。