「すぐ嫌いって言うんだな。
本当はそう思ってねぇくせに」
「嫌い、絶対大嫌い」
もちろん智也の言う通り、嫌いだなんてちっとも思っていない。
ただ意地悪な智也に対抗しているだけ。
とはいえ私は智也離れないよう、彼の服をぎゅっと掴みながら嫌いと連呼していた。
これだとバレバレだ。
「綾ちゃんって日に日に幼児化していくんだな」
「……知らない」
全部、智也のせい。
智也がずっと大人になって、私を甘やかすから。
「あんまり素直じゃない女は好まないな」
その言葉に、思わず肩がビクッと震える。
見上げると、意地悪そうな顔で笑う彼の姿があった。
「……智也」
「じゃあ部屋、行くか」
智也は私の腕を引く。
やはり彼は部屋に連れ込むつもりだ。



