お願い、好きって言わないで。




部屋に入った時の静けさは、私をまた心細くさせた。

とりあえず椅子に座る。
頭の中では様々な記憶が入り混じっていた。

若槻さんはあいつの連絡先を知っている。
あいつと会わせることもできると言っていた。


もし本当にできるのなら、それは本気で避けたいことだ。

あいつとの別れ方が最悪だったから、まだ私を恨んでるかもしれない。

それがたまらなく怖い。


「……はあ」

先ほど座ったばかりなのに、落ち着かないため立ち上がり、ベッドにダイブする。

もう何もかもが嫌だった。

若槻さんは私に消えてほしいと言っていたけれど、できることなら消えたい。


それなら苦しい思いもせず、今だってこんなに悩まなかった。

智也を傷つけずに済んだ。
バカか、私は。


そう思い、目頭が熱くなっていると、突然部屋のドアが開いた。

急いで起き上がって見ると、再会したあの日のように智也が立っていた。

「何?」
「何って、親たちで盛り上がっててつまんねぇからこっち来た」

そう言うと智也は私の隣に腰を下ろす。