「お兄ちゃんから話を聞いて私、同情しちゃいました。先生が本当に可哀想すぎて…」
やめて。
それ以上、何も言わないで。
心の中で何度もそう呟く。
「実は私、涼太さんと会ったことあるんですよね。一回口説かれました。
だけど処女じゃないって言ったらすぐ離れていきましたよ?先生はそんな酷い男を信じてしまったばかりに」
もう何も思い出したくなかったけれど、過去の記憶が脳内を過ぎる。
深く、鮮明に、思い出していく。
お願い。
それ以上はもう───
「あれ?先生なんか震えてません?
そりゃあんな酷いことされたらねぇ…?」
悲しい顔から一変、私をあざ笑うかのような表情へと変わる。



