存分に甘やかされた次は、刺激が欲しくなってくる。


「智也」
「どうした?」
「次は甘いのほしい」

直接キスと言うのは恥ずかしいため、遠回しに言ったのというのに。


「甘いのって?」

それを言わせようとする智也は意地の悪い人間。


「わかるでしょ」
「わからねぇな、バカだから」

「学年一位のくせに」
「経験豊富すぎて甘いのがどれに値するかわかんねぇな」

「むっ」


経験豊富、という言葉を私は聞き逃さなかった。
顔を上げ、智也をじっと睨む。


「智也のバカ、浮気野郎」
「はあ?」

「経験豊富とか自慢じゃないから。
もう嫌い、早く私の機嫌取れ。怒ったから」


わざと智也から視線を外し、そっぽを向いてやる。