「とりあえずって」
「ほら早く、ご褒美くれるんでしょ」


欲しがる私を見て、智也はため息をつくなりそっと包み込んでくれた。

抱きしめ返そうとせず、私は智也に身を預ける。


「甘えたがりだな」
「恋人設定だからね」

とことん智也に甘えてやる。

一応立場も歳も私の方が上なのだから、智也を好き勝手扱ってやろうという気持ちになる。


いざ力勝負になれば簡単に負けるだろうけれど。